- 構図がぜんぜん思いつかない・・・
- 何から勉強したらいいかわからない
- ネットで調べているけど情報が多すぎてわからない
- 考え方とコツを教えてほしい
絵は「構図」や「空間作り」が大事だといわれますが、「何から勉強したらいいかわからない」という方は多いのはないでしょうか。
そんな構図にお悩みの人におすすめの本を紹介します。
こんにちは、フォックスです!
私はゲーム業界で元デザイナー、現在管理職をして20年以上働いている会社員です
今回ご紹介するのは、イラストレーターの松村 上久郎氏の「ややこしくない絵の描き方 誰でも始めやすくて続けられる練習方法」です。
今回は本書から構図・空間の章を抜粋して解説します。
この記事を読めば構図知識ゼロでも構図と空間作りの考え方と描き方がざっくりわかります。
構図は発想力がなくても問題なし
おもしろい構図が思いつなかいのは、自分にセンスがないからだろうか・・・
普段絵を描いている人なら誰でもこうした疑問が一度や二度出てきますが、構図を考えるにはセンスや発想力がなくても大丈夫だと著者はおっしゃっています。
筆者が解説する、センスのいらない構図、空間作りの方法は次の6通りです。
- 構図のリズムから決める
- カタマリ(物体)にするか窓にするかを選ぶ
- 同じカタチをずらっと並べる
- 画面に対する人の大きさをコントロールする
- コマのカタチよりショットの意識を持つ
- シチュエーションから入る
それでは順に解説していきます。
構図のリズムから決める
構図を考えるときは、なるべくシンプルなカタチを並べるところから始めてください。
「この辺になんか置く」というリズムを決めて、中身は後で考えればいいと筆者は言っております。
具体的には枠の中に丸、四角、三角などのシンプルな形を最初に置いてから、その後に中身を置き換えるという方法です。
シンプルなカタチを先に置いて、それから中身を何を入れるか考えて描きます
カタマリ(物体)にするか窓にするかを選ぶ
丸や四角を並べたら、それをカタマリにするか「窓」や「穴」にしてみましょう。
構図の並び方は同じでも、選択肢が増えて便利だということです。
好きなカタチを並べて、好きなものを描くってカンジですね
同じカタチをずらっと並べる
風景や構図の奥行きを伝えるために良い方法、それは決まったカタチをたくさん並べること。
変なカタチをダラダラと並べるよりも、決まったカタチをたくさん並べた方が良い結果になります。
同じカタチを並べただけなのに、奥行き出るなんてラクだし不思議!
画面に対する人の大きさをコントロールする
人を描くときは同じショットがダラダラと続かないように、色々なショットをバランス良く組み合わせるのが重要です。
「ロングショット」や「バストショット」という言葉は聞いたことがあるでしょう。これらは映像業界の用語ですが、イラストや漫画の構図を考えるときに役立つとのことです。
ショットによって伝わり方が違ってくるもんだな
コマのカタチよりショットの意識を持つ
さて、これらショットの知識があると同じコマのカタチでもドラマを展開することが可能だと、筆者は言います。
コマのカタチが同じでも、ショットを使い分けるとドラマっぽくなる!
シチュエーションから入る
筆者は、構図を考える時に次の2つのタイプの絵描きがいるのではないかと言います。
- 画面のリズム、構図から考えるのが得意なタイプ
- シチュエーションが先に思い浮かぶタイプ
シチュエーションベースであれば、人物のポーズを先にイメージして後から切り取る作業をすると良いようです。
アナタはどちらのタイプでしょうか?
空間は「ハ」の字で作る
空間を描くっていっても、何をしたらいいかよくわからない
筆者いわく、空間を描こうとするとパースや画角を意識してしまい「お勉強感」が出てしまうので、直感的に取り組めて即効性のある方法を解説しています。
直感的に取り組める方法は次の4つです。
- 「ハ」の字で広がりを作る
- 左右で長さを変えたり、上に描いたり片方だけ描いたりする
- 「ハ」の字をカタマリに置きかえる
- 「ハ」の字を増やしたり並べたり交差してみる
「ハ」の字で広がりを作る
四角の中にカタカナの「ハ」の字を描きましょう。それだけで空間の広がりを表現することができます。
左右で長さを変えたり、上に描いたり片方だけ描いたりする
「ハ」の字方法はカンタンです。
- 「ハ」の字を描く
- タテに線を入れる
- ヨコに線を入れる
ハの字だけでカンタンにバリエーションのある空間作りを楽しめるね
「ハ」の字をカタマリに置きかえる
「ハ」の字に慣れたら、次はカタマリを置いて並べてみましょう。
奥に向かって小さくしていけば、遠近感を出すことができます。
これだけでも遠近感が出せるんだ・・・
「ハ」の字を増やしたり並べたり交差してみる
複雑な構図にチャレンジしたい場合も、ハの字を並べてつければ良いです。
慣れるとハの字同士を交わらせてみたり、曲線を取り入れてみることで遊ぶことができます。
ハの字だけでいろんなことができるんだなあ!
【まとめ】発想力に頼らず手法に頼る
ということで、今回は構図と空間の考え方と作り方について学びました。まとめます。
構図では、発想力が無くてもだいじょうぶです。その方法として次の6つの方法を学びました。
構図の作り方
- 構図はリズムから決めよう
- カタチを置いたら、カタマリ(物体)にするか窓にするかを選ぼう
- 同じカタチを並べてもよい
- 画面に対する人の大きさをコントロールしよう
- コマのカタチよりショットの意識を持つ
- シチュエーションから入ってもよい
空間の章では、「ハ」の字を使って広がりを作ることを学習しました。
空間の作り方
- 「ハ」の字で広がりを作ろう
- 長さを変えたり上に描いたり片方だけ描いたりしよう
- 「ハ」の字をカタマリに置き変えよう
- 「ハ」の字を増やしたり並べたり交差してみるとバリエーションが出る
いかがだったでしょうか?
以上のように、本書は専門用語を知らなくても、誰でもカンタンに実践できるよう説明してくれています。
タイトル通り本当に「ややこしくない」です!
絵がめちゃくちゃ描けなくなくても、同じカタチを置いたり線を引いただけで、カンタンに構図や空間を作れることがわかりました。
私としては、同じコマでもショットによってドラマを展開できる、というのが最も興味深かったです。あんまり深く考えなくてもそれっぽい絵になるので、「すごいな」って素直に感動してしまいました。
いや〜、実際やってみましたみましたが気楽に描けるっていいと思いました・・・。特に社会人の方でスキマ時間で絵を描くなら、これくらいの方法の方が続くんじゃないでしょうか。
絵を練習したいけど、専門用語ばかりの参考書は疲れるから読みたくないな〜、気楽に絵を練習したいな〜と思っているなら、本書を手に取ってみることをオススメします。
他の章も機会があれば紹介したいと思います。以上、フォックスでした。それではまた!
ややこしくない絵の描き方