3DCGアニメーションを勉強している学生さん向けの記事です。
将来はキャラクターアニメーションをやりたい。
3DCGアニメーションを勉強してるんだけど、何か良い参考書があったら知りたい。
ゲームモーション制作経験のある私が、今回はイチオシの参考書を教えます。
アニメーターズサバイバルキット
私がお勧めするのは、アニメーターズサバイバルキットです。
この本は2004年の本で、著者はリチャード・ウィリアムズ氏で、実写アニメ映画「ロジャー・ラビット」などでアニメーション監督を務めた方です。
増補 アニメーターズサバイバルキット
いろんな本を読みましたけど、これがオススメで私にとってはバイブルです。
実用的である
「アニメーターズサバイバルキット」をお勧めする理由の1つ目は、実用的であることです。
この本は、リチャード・ウィリアムス氏が編み出した画期的なアニメーション理論と技法を豊富な図解とともに解説しています。
この理論は初心者にも理解でき、技法はすぐに試せて実用的です。
理論を語るだけでなく、歩きや走りのアニメーションなどを例に、どう実用すればいいか分かりやすく解説しています。
3Dでも2Dアニメでも通用する基本原則
2点目は、本書のアニメーションの理論は、2D3D関係なく通用する基本原則であることです。
例えば、アニメーションを作っていて、どのタイミングでどんなポーズをつけたらいいか悩んだことはないでしょうか?
どのタイミングでポーズを描いたり作ったりしますか?わかりやすいポーズ?10コマずつ? 5コマずつ?
仮に1コマずつポーズを作ったとしても、再生してみると「あんまり良くないなあ」そんなふうに思ったことがあると思います。
ポーズを形で捉えても姿勢の型で捉えていないからです。形だけ捉えても良いアニメーションにはなりません。
本書では、どのタイミングで、どういうポーズを作ればいいのか論理的に理解することができます。
ポーズを無作為に作ることがなくなって、的確に作ることができるようになります。
初心者でもプロでも使える
お勧めする理由の3つ目のポイントは、この本は初心者でもプロになっても使える内容であることです。
図解が豊富で初心者にも理解しやすいし、プロになってモーションをやればやるほど、この本の理論の普遍性と真価に気づきます。
特に人に教える立場になると、アニメーションの教え方や伝え方に悩むと思いますが、この本の理論ならうまく教えることができます。
私はこの本の理論でモーションを教えています。
作品の質が格段に上がる
私は過去に3ヶ月くらいかけて、この本に書かれている理論をMayaで実際にアニメーションで実践しました。
それまでの自分の作り方や考え方は根本から見直され、目から鱗が落ちるようでした。
本書を読んでから思い通りにアニメーションを作ることができるようなり、リーダーになってから人にモーションを教えるときにも活用しています。
アニメーターサバイバルキットは私にとってバイブルです。
増補 アニメーターズサバイバルキット
アニメーターを目指すならぜひ一読してください。
以上、フォックスでした。それではまた!
本書の著者であるリチャード・ウィリアムズ氏は2019年8月16日、がんで亡くなりました。
ずっと闘病生活を続けていて、亡くなった当日も創作活動をしていたそうです。
ご冥福をお祈りいたします。